削除ボーイズ0326

著 者:方波見大志
出版社:ポプラ社
出版日:2006年10月4日発行
評 価:☆☆☆(説明)

 第一回ポプラ社小説大賞受賞作品。著者のデビュー作(これ以前に「このミス」大賞の最終候補になった作品がある)。ある人物の過去の特定の時間を、3分26秒だけ「削除」することができる装置を手に入れた小学生の物語。近過去の歴史改変モノだ。

 主人公は川口直都、ニックネームは「グッチ」小学校6年生。街で高校生に絡まれていた同級生を助けたところ、「勇気ある行動に感動した」と、おっさんにデジカメをもらう。おっさんが言うには「実際に起きた出来事を削除できる機能がある」らしい。
 おっさんの言ったことは本当だった。カメラで人を撮って、削除する時間を設定して、「DELETE」ボタンを押せば、その時間が「削除」されるらしい。さて何に使う?最初は、自分の深爪や友達のケガをなかったことに、なんて軽い使い方をしていた。でも、どうしても「削除」したい、より深刻な出来事が起きて..当然、意図しない副作用もあって..。まぁ、王道の展開だ。

 王道の展開だけあって、読みやすい。ちょっとしたユーモアを含んだ語り口も悪くない。ミステリーの要素もうまく取り入れていた。ただ、主人公たちが小学生だと思うと、本人たちの行動にも周囲の接し方にも違和感があった。これには最後まで慣れなかったけれど、デビュー作としては力作だったと思う。

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