RDG レッドデータガール 星降る夜に願うこと

書影

著 者:荻原規子
出版社:角川書店
出版日:2012年11月30日 初版発行
評 価:☆☆☆(説明)

 「レッドデータガール」シリーズの第6巻にして完結編。第4巻、第5巻で描いた学園祭の後の2か月ほどを描く。

 主人公の鈴原泉水子は、東京郊外の鳳城学園という高校に在籍していて、この学園には、陰陽師の集団とか忍者の組織が活動している。泉水子自身も「姫神憑き」という、その身に神が降りる体質で、彼女を守るための山伏たちの組織もある。

 前巻の学園祭で、陰陽師との闘いに勝ち決着をつけた形になっている。ところが、陰陽師のリーダーはそれに納得せず、再度の対決を望み、泉水子もそれを受け...。物語の起伏が、小さいものから始まって徐々に振幅の大きいものへと進む。

 このシリーズは、「エスパー対決もの」と「青春物語」という二つの要素がある。「エスパー対決」の方はほぼ決着がつき、その決着を受けて、登場人物の高校生たちが「青春」らしく結束を見せ始める。「闘いが終れば、昨日の敵は今日の友」。少年誌のような展開だと思った。少年誌なら次の敵が必要だけれどそれもちゃんといる。

 泉水子と山伏の相良深行の間の、「青春」に不可欠な甘酸っぱい要素も、一応の結着を得た。物語に余韻を残しながらも大団円だった。

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