3.ミステリー

パズル・パレス(上)(下)

書影
書影

著 者:ダン・ブラウン 訳:越前敏弥、熊谷千寿
出版社:角川書店
出版日:2006年4月5日初版
評 価:☆☆☆☆(説明)

 「ダ・ヴィンチ・コード」のダン・ブラウンのデビュー作。
 本書の5年後に「ダ・ヴィンチ・コード」を刊行したということを考えると、なるほどと思うことが多い。

舞台は、NSA(米国国家安全保障局)。主人公は暗号解読のエキスパートで、美人のNSA職員。彼女のパートナーは言語学の大学教授。主人公の名はソフィーではなく、大学教授もラングドンではないが、「ダ・ヴィンチ・コード」の主人公2人を思い出さずにはいられない。
 それに、本書には宗教上のうんちくはないが、ITと暗号に関する高度な知識がちりばめられている。つまり、少し難しい話を利用してストーリーをけん引する手法は、著者の既刊の3冊と趣きが似ている。いや、本書がデビュー作なのだから、1冊目からそのスタイルを確立していたというべきか。

大学教授の方は、ある指輪を求めてスペインのセビリアの街を走り回ることになる。これが実に目まぐるしく展開して、ペースがいい。少しご都合主義的なところはあるが、これも愛嬌だ。
 ストーリーは、NSAの副長官で主人公の上司の野望が基で、NSA、いや自由主義世界全体が危機に陥る。その原因はコンピュータウィルス(登場人物のSEは、ウィルスではなくワームだと言っているが)だ。ウィルスが原因で、システムが破壊されるというのは、今であれば、ありきたりの設定で、いささか陳腐な感じがしないでもない。
 しかし、本書は1998年の刊行、先見性があったと言わねばならないだろう。

登場する日本人の名前が、全く日本人らしくないのが気にはなるが、それもご愛敬。慣れてしまえば楽しく読める。

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

数学的にありえない(上)(下)

書影
書影

著 者:アダム・ファウアー (訳:矢口 誠)
出版社:文藝春秋
出版日:2006年8月25日第1刷 2006年9月15日第2刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 原題は、Improbable(ありそうもない)、だ。邦題に「数学的に」と付いているのは、主人公はケインという名の大学院生で、複雑な計算に瞬時に答を出す天才、物語の随所で様々なことが起きる確率を計算しながら行動しているからだろう。
 例えば冒頭では、ポーカーの勝負で自分が負ける確率を、場の札などから26,757分の1ぐらい(この時は、吐き気がひどくで正確な計算ができなかったから「ぐらい」なのだ)、とはじき出して大勝負に出る。残念ながらこの勝負には負けてしまう。26,757分の1の確率、これを「数学的にありえない」というのだろうか、その確率の出来事が起きてしまったのだ。

 実は、ケインの能力はこの計算だけではなく、更に信じられない能力を開花させる。この能力を狙った陰謀に巻き込まれていくことになる。ケインはこの能力によって、陰謀から逃れるために、さっきのポーカーの負けなど比べ物にならない低い確率の「数学的にありえない」出来事を引き起こしていく。危機を脱したと思ったら、さらなる危機が迫り、それをまた思いも付かない方法で乗り越え、といったジェットコースター・サスペンスだ。

 本作は、著者の処女作。処女作にしてこれだけの起伏のあるストーリーを紡ぎだせるのだから恐れ入る。いくつもの伏線が絡み合い、読者をだますための巧妙な仕組みも潜んでいるし、CIA、FBI、KGB、NSAなどの政府機関やその陰謀など、面白くする要素もギッチリ詰まっている。
 しかし、少し苦言を呈すると、あまりにストーリーの起伏や転換を狙いすぎではないか。もうこれは、著者自身が楽しんでいるのではないかとさえ思える。
 ケインの能力を使えば、ありえないことも実現してしまうのであるが、その能力を以ってしてもこれはないんじゃないかという出来事がいくつかある。例えば、逃走中にハイウェイで走ってきた車を止めると、恩師が運転していた、なんてことだ。
 また、思わぬ人の協力や裏切りがストーリー進行に必要なのだけれど、ちょっと簡単に協力しすぎだと思う、ご都合主義的なところも散見される。さらに、これでもかというほど、意外な登場人物のつながりが明らかにされるが、そんなにしなくても十分に面白いのに、と思う。

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

この本は、本よみうり堂「書店員のオススメ読書日記」でも紹介されています。

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

ヒストリアン 1・2

書影
書影

著 者:エリザベス・コストヴァ 訳:高橋素子
出版社:日本放送出版協会
出版日:2006年2月25日第1刷  3月20日第3刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ドラキュラの消息を追うミステリー。怪奇小説のドラキュラ伯爵のモデルとされる、15世紀の封建領主、ワラキア公ウラド・ツェペシュが、「死なざる者」となって現代に至っているという設定。歴史家(ヒストリアン)たちが、その存在を追い詰めていく終盤のヤマ場は、なかなかのものだった。

 本書は、主として3つの時制が並行して進む。ドラキュラを研究していて失踪した教授の体験(1930年代)、その教え子が失踪した教授を、教授の娘とともに捜す物語(1950年代)、教え子も妻を捜すために姿をくらましてしまい、娘が父親の消息を追いかける話(1970年代)の3つ。そして、最後の父親を捜している娘が本書の著者、ということになっている。
 さらに、冒頭の「読者へ」を見ると、日付が2008年!なんと未来だ。つまり自分の経験を30年経ってから書いた、ということらしい。おやっ、と思わせる小技だけれども、本書にとってはあまり意味を持たない。(意味があったとしても、少なくとも私にはまだわからない)

 上下巻で1,000ページにはなろうという大作で、一気には読めない。出てくる場面数も多く、ストーリーも長い。時制が絡み合って一見複雑なようだが、慣れれば決して分かりにくくはない。しかし、3つの時代で、それぞれの人間が体験する物語が進展するので、3倍読まないと先へ進まないことになる。必然的に話の進展が遅く感じられて、退屈にもなってしまうかもしれない。それでも、結末を目指して読み進めましょう。
 途中に細かな伏線が少しずつ挿入されている。その多くは、最後になって説明される。読み終わって余力があれば、読み返して伏線を探し出すのも良いかも。

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

デセプション・ポイント(上)(下)

書影
書影

著 者:ダン・ブラウン 訳:越前敏弥
出版社:角川書店
出版日:2005年4月5日初版
評 価:☆☆☆(説明)

 「ダ・ヴィンチ・コード」の著者による科学ミステリー。「天使と悪魔」と「ダ・ヴィンチ・コード」のラングドンシリーズの間に、アメリカで2001年に出版された。
 ラングドンシリーズ2つでは、「キリスト教」を題材に読み手の好奇心を刺激して、特に「ダ・ヴィンチ・コード」は大ベストセラーになった。本書でのテーマというか、料理されるのは「NASA」だ。大統領選挙も絡んでくる。
 現代的なだけに、「本当にそうだったかもしれない」という、秘密の暴露的な興味はそそられない。しかしフィクションとして充分に楽しめる。宗教から切り離されているので、「ダ・ヴィンチ・コード」の映画化の時のような妙な反発も招かないだろう。(NASAは「事実と異なる」という無粋なことは言わないだろうから)

 ストーリーは、NASAの世紀の大発見(地球外生物)に対する疑惑を、主人公の女性が海洋学者らと共に解明していく。途中には「あり得な~~い」と叫びそうになることが、次々と起きる。「天使と悪魔」で、ラングドンがヘリから飛び降りて来たときにはびっくりしたが、今回はそれ以上だ。
 「あり得な~~い」ことが起きるハリウッドのアクション映画を楽しめる人にはおススメ。そういうのはシラけてしまう人には?どうだろう?

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

ささらさや

書影

著 者:加納朋子
出版社:幻冬舎
出版日:2001年10月10日第1刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 深夜のテレビドラマでやっていた「てるてるあした」の原作。ドラマは、同じ「佐々良」という町を舞台にした本書と「てるてるあした」の2つの小説を合わせて原作として、脚本を書いたらしい。ドラマでは木村多江が演じた準主役のサヤさんが、本書では主人公。

 サヤは突然の交通事故で夫を亡くした。生後2ヶ月の赤ちゃんのユウ坊を残して。サヤは全く頼りないというか、人が良すぎて簡単に人に騙されてしまう。
 しかし、死んだダンナが誰か他の人に乗り移って助けてくれる。でも、乗り移ることができるのは、幽霊のダンナを見ることができる人だけ、それも1回限りだ。

 とにかくサヤが頼りない。見ていて(読んでいて?)心配だ。死んだダンナでなくても十分に心配。赤ちゃんのユウ坊を育てるのも育児書のままだし、不動産屋に家賃を騙し取られても、「あの家も赤ちゃんが生まれて何かと大変だから」と、許してしまう始末。
 3人のバァさんたちと、エリカという友人と、幽霊のダンナに守られて、何とか危機を克服する。いつかは、自分で生きていけるのだろうか?
 少し幻想的なお話で、ちょっとホロッとさせられたい人に特におすすめ。

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

ダレン・シャン 7.黄昏のハンター 8.真夜中の同志 9.夜明けの覇者

書影
書影
書影

著 者:ダレン・シャン (訳:橋本 恵)
出版社:小学館
出版日:7.2003年3月10日発行 2004年12月1日第6刷/8.2003年7月10日発行 2004年3月10日第4刷/9.2003年11月20日発行 2005年2月20日第4刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 7,8,9巻で、バンパイア対バンパニーズ、特にバンパニーズ大王を狙う大王ハンターの戦いを描く。大王ハンターとは、ダレン、クレプスリーと新登場の元帥バンチャ・マーチの3人。なぜ、この3人なのかというと、ミスター・タイニーが指名したから。この世の始めから存在し、運命を握っていると言われるタイニーだ。
 ダレン・シャンシリーズでは、実に多くの登場人物が入れ替わり立ち代り登場するが、この3巻でも、バンチャ・マーチの他、魔法使いエバンナやバージェス警部など、キャラクターの立った人物が登場する。とても個性的だ。
 さらに、最初の3巻で登場した、スティーブ、RV、デビーの3人が再登場する。敵になったり味方になったりで、オールスターキャスト登場で大団円かと思わせる展開だ。

 ミスター・タイニーが全てを決めて、その設定の中でストーリーが展開するというのは、少し強引ではあるが、非常にスリリングで、今までの中では一番面白い3巻だった。(最後のドンデン返しはムリやりな感じだけれど)
 登場人物の相関や秘密が徐々に明らかにされ、それが今後にどう関係するのか。興味は尽きない。タイニーの予言によれば、前面戦争に突入することになりそうだが、どうなるのか?

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

シックス・センス

書影

著 者:ジム・デフェリス(訳:酒井紀子)
出版社:竹書房
出版日:1999年11月4日初版 2000年6月19日第10刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ブルース・ウィスル主演映画のノベライズ、いや、解説によると映画の初期脚本を基に執筆されたものらしい。
 最後の最後にアッと驚くオチがあるのだが、その落とし方があまりに見事で、本当に「アッ」と声を出してしまった。意地悪く、どこかにその結末と矛盾するところはないかと、ページをめくってみたけれど、さすがにそういうところはなかった。強いて言えば1つだけ、読んでいる最中にも気になったのだが、主人公マルコムはどういう経緯でコール少年のカウンセリングを行うことになったのかが不明な点。母親からの依頼があったのだろうと思っていたが、それでは結末と相容れない。
 コール少年は、死者を見ることができる。話をすることも可能なようだ。考えてみると、その土地で死んだ人というのは、人類の歴史の長さを考えるとおびただしい数になる。死んだ時の状態のままなんだそうだから、その恐ろしさは想像を絶する。その点では、ホラー小説なのだが、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。

 映画ではスキップしてしまったエピソードも、本書では描かれているそうだから、本書を読んでから映画を見ると、より深く鑑賞できるだろう。

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

天使と悪魔(上)(下)

書影
書影

著 者:ダン・ブラウン(訳:越前敏弥)
出版社:角川書店
出版日:2003年10月30日初版 2004年11月30日第16版(上)、7月5日第5版(下)
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダ・ヴィンチ・コードの作者による、謎解きスリラー。アメリカの象徴学者ロバート・ラングドンが活躍するシリーズの第1弾。つまり、ダ・ヴィンチ・コードより前の作品ということになる。
 シリーズ物だから仕方ないのかもしれないが、父や祖父を殺された女性とともに、キリスト教に関する謎解きをしながら、絶体絶命の危機を切り抜けていく、その背後には秘密結社や殺し屋、というストーリーは2つの作品であまりに酷似している。作者のスタイルと言えばそれまでだし、面白ければ問題ないとも言える。とは言え、3作目、4作目と続けるのは難しいだろう。
 そして、2作目までは大変に面白い。だから問題なしとしておこう。本書では、24時間というタイムリミットの存在と、失敗した場合には1つの国が破滅するという危機感のためか、ダ・ヴィンチ・コードより面白く読めた。
 ダ・ヴィンチ・コードの成功までは、著者は全くの無名であったことを思えば、本書が日本語訳されて読むことができたのは運が良いと言える。2作目を著者が出さなかったら、目に触れることもなかったのだから。

 このシリーズの面白さは、考古学上の事実や新発見とフィクションをうまく織り交ぜることで、その境界上での知的な遊びを創造していることにもある。小説の中であげられる数々の指摘は、もしかしたら真実なのかも、と思わせる説得力があり、好奇心をくすぐる。巻末にある謝辞を見ると、著者が丹念な取材をしたことが垣間見える。

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

ダレン・シャン6 バンパイアの運命

書影

著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年10月20日初版 2004年12月1日第9刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 4,5,6巻を通して続くバンパイア・マウンテンを舞台とした一連の物語の結末。
 前巻の続きで、ダレンは地下の水路を流されて、「奇跡的に」無事にバンパイア・マウンテンの脱出に成功する。そして「偶然に」ストリークというかわいがっていた狼に出会い、助けられる。そして、その群れにいる老狼が「たまたま」元帥の間への抜け道を知っていた。
 こんなご都合主義のストーリーで良いのか。しかも「それにしても、よくこうもうまくいったものだ...運命の力が働いているのか...」なんて独白してしまう。3巻でも似たような独白があるが、これは興醒めだ。著者自身でさえ、都合が良すぎると思っているのだから。

 ところで、バンパイアとバンパニーズの決闘で、ダレンはバンパイアたちの振る舞いに違和感を覚える。彼らがあまりに喜々としてバンパニーズを殺すからだ。うがった見方をすれば、命知らずの彼らは、他人の命も尊く思わないのかもしれない。この違和感が今後のダレンの振る舞いに影響してくるのかもしれない。

 主人公が処刑されては元も子もないので、ダレンの処遇をどう解決するのかと思っていいたら、なんと、バンパイア元帥になってしまった。アッと驚く展開には違いない。しかし、それまで延々と、バンパイアは掟や序列や前例を重んじる、と説明されてきたのに。そのこととの折り合いはどうするんだ。

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

ダレン・シャン5 バンパイアの試練

書影

著 者:ダレン・シャン (訳:橋本恵)
出版社:小学館
出版日:2002年7月1日初版 2004年4月20日第9刷
評 価:☆☆☆☆(説明)

 ダレンに課せられた試練の巻。
 第一の試練は、水が満ちてくる迷路を抜ける。17分で水が天井に達する。第二の試練は、鍾乳洞の中を通る。落ちてくる鍾乳洞に刺されたら終わりだ。第三の試練は、火が吹き上がる部屋に15分間こもる。ここまでは何とかこなした。
 第四の試練は、狂った熊二頭と戦うこと。ここでリトルピープルが助けに入ってしまったことで、ダレンは窮地に立つことになる。

 「ハリーポッターと炎のゴブレット」で、ハリーが試練をこなしているのと並行して、ヴォルデモートの陰謀が進んでいたように、ダレンが試練をこなしている間にも、バンパニーズが大挙してバンパイア・マウンテンに潜んでいた。その目的はまだ分からない。次巻に期待。

 ところで、バンパイアは高潔な種族で、不正を嫌うはずなんだけど、死ぬのを避けて逃げ出してしまったダレンに未来はあるのだろうか?

 にほんブログ村「ミステリ・サスペンス・推理小説全般 」ブログコミュニティへ
 (ミステリ・サスペンス・推理小説全般についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)