著 者:多湖輝
出版社:新講社
出版日:2007年3月1日 発行
評 価:☆☆☆(説明)
別に、我が子を「本を読む子」に育てようと思って読んだわけではない。「頭の体操」シリーズで、子どもの頃にお世話になった著者が、このテーマでどんなことを書いているんだろう?を知りたくて読んだ次第。ちなみに、私には娘が2人いるけれど、1人は放っておけば一日中でも本を読んでる。もう1人も普通ぐらいには本を読む、最近「崖の国物語」全10巻を読み終わったようだ。つまり、幸いなことに「本を読む子」に育っている。
本書の内容は、極めて真っ当なことが真っ直ぐに書かれている。まずは読書のメリットからだ。読書好きというと「人づき合いが苦手」という印象を持つ人もいるけれど、話題が豊富で面白い人が多いんですよ。だから、読書はいい人間関係を作るんですよ。自分の子どもがそういう人になるといいですよね...。
そして、子どもを読書好きにする環境や、習慣付けの方法が書かれ、合間にまた読書のメリットが挟み込まれている。紹介されている本が、「坊ちゃん」「走れメロス」「杜子春」「嵐が丘」「赤毛のアン」「星の王子様」「飛ぶ教室」..と、古典的名作に偏っていることを除けば、非の打ち所がない。その代わり「おぉ、なるほど!」という引っかかりもほとんどなく、ちょっと残念。
それでも「おぉ、なるほど!」が一つ。親が読書好きでないと、子どもが読書好きになる環境ができない。でも、親が読書好きならそれでいいかというと、そうではない。「楽しそうに読書している姿を子どもに見せる」ことが必要なんだそうだ。
子どもがいると落ち着いて読めないからと、子どもが寝てからとか、通勤途中で読書、というのは、悪くはないが良くもない。「本を読む子」にはつながらないのだ。そう言えば、私はいつもリビングで本を読んでいる。周りで遠慮なく家族がおしゃべりしているし、テレビだって見ている。時々話しかけてくるのはちょっと困ることもあるが、「本を読む子」について言えば、狭い家が幸いしたということなのだろう。
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