著 者:池井戸潤
出版社:講談社
出版日:2012年2月2日 第1刷発行
評 価:☆☆☆☆(説明)
「本が好き!」プロジェクトで献本いただきました。感謝。
熊本日日新聞他に順次掲載された新聞小説に加筆修正し、単行本にしたもの。昨年上半期の直木賞受賞作で、ついでに言うと私の「2011年の「今年読んだ本ランキング」」1位の「下町ロケット」の著者の、受賞後の単行本第一作。
舞台は、年商500億円の中堅電子部品メーカーの青島製作所と、その野球部。5年前に外部のコンサル会社から営業部長として入った細川が、創業者である現会長の青島から社長を引き継いで2年。細川の営業部長としての手腕で業績を伸ばしてきた同社も、金融危機を契機とした不景気のあおりを受けて、青息吐息の状況。
主要取引先からは取引量の減少や値下げを言い渡され、ライバル会社はなりふり構わぬ営業攻勢をかけてくるし、銀行は運転資金の融資の条件としてリストラを迫る。当然、野球部にもその影響はおよび、役員会で廃部さえ言及される。何と言っても、野球部には年間3億円かかっている。おまけに前監督がライバルチームに移籍する際に、エースと4番打者を引き抜き、成績は芳しくない。
物語は、青島製作所の経営と、野球部のチーム運営のそれぞれを、時に交錯させながら描く。それぞれには、さらに厳しい試練が待ち構えていて、存亡の危機に立たされる。野球の試合のように、起死回生の逆転劇はあるのか?(そいういう英語の言い回しがあるのかどうか不明だけれど、帯に「奇跡の大逆転劇」に「ルーヴェルト・ゲーム」とルビが振ってある)
物語の趣向は「下町ロケット」と同じ。危機に瀕した中堅企業が、身の内に葛藤を抱えつつ、その技術力とチームワークで危機に立ち向かう。これですべてが解決したわけではなく、(「下町ロケット」よりも、さらにストレートな感じでもあり)現実はもっと厳しいはず、という指摘もあるだろう。でも、ところどころに仕込まれている「いい話」に、「あぁ、仲間っていいなぁ」とホロッとする。(私と同じように)そういうのが好きな人におススメ。
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