著 者:小林直樹
出版社:日経BP社
出版日:2015年6月23日 初版第1刷発行
評 価:☆☆☆(説明)
本書はネットの炎上事件の「傾向と対策」を書いた教科書だ。主に企業に関わる炎上をテーマにしている。「「炎上」の新傾向と対策」「~の基礎知識編」「組織としての準備・対策編」「こんなときどうする?」「攻めの活用編」の5章からなる。
著者は「日経デジタルマーケティング」という雑誌の記者。この雑誌は、企業のデジタル活用の取り組み、業界動向、成功・失敗事例を紹介している。企業にとって「炎上」は、企業のブランド毀損という、マイナスのマーケティングとなってしまう。だから「対策」が必要なのだ。
最近の傾向として「偏見を助長するコンテンツ」が危ないらしい。例えば男性の上司が女性の部下に「なんか顔疲れてるなあ」と話しかける、ルミネのYouTube動画。「女性は(女性だけが)きれいになる努力を怠ってはいけない」という偏見を助長する、ということだろう。この動画は私も見たけれど、確かにあんまりな感じだった。
ルミネのようにネットを活用していなくても「炎上」と無縁ではいられない。社員が何か不注意な発言をSNSですると、ネガティブな反応が企業に帰ってくる。もし企業のビジネスに関することであれば、社員の個人的な意見であっても、「あの会社の社員が...」という大まかなとらえ方をされる。
事前に防止するためには「多くの目でチェック」。起きてしまった後は「素早く」「ファクトに基づいた対応」などが求められる。「誤解を招いたとすれば..」「結果として..」などは禁句。多くの場合は企業側も被害者の側面もあるが、そこは前面にださない。とりあえずこれくらいは心得ておこう。
「教科書」と銘打つだけあって、よくまとめられている。企業の勉強会などで使ってはどうだろう。
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