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2010年大学読書人大賞に「夜は短し歩けよ乙女」

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 「本屋大賞」が決定したばかりですが、「大学読書人大賞」という賞も昨日決定・発表されたようです。公式ホームページによると、この賞は「全国の大学文芸サークルによる投票と評論と議論によって、大学生に最も読んでほしい本を選ぶ」という主旨だそうです。
 約40の大学の49個の文芸サークルが、各5作品まで投票して選ばれた大賞候補作5作品から、推薦文の執筆、投票などを経て、最終的には公開討論会で順位を決定したそうです。大学生、ガンバッテいるじゃないですか。私はそこがうれしかった。

 そして大賞に選ばれた作品が、森見登美彦さんの「夜は短し歩けよ乙女」。ちょっと作品が古くはないか?と思いますが、対象作品は「文庫落ちを含む、2008年11月1日から2009年10月31日までに日本国内で第1刷が発行された本」だそうです。
 「夜は短し~」は2008年12月に文庫化されていますから、対象範囲なんですね。文庫本を対象として規定するあたりも、大学生らしくて良いです。(大学生=お金ない、という図式は必ずしも当てはまりませんが)

 その他の大賞候補作は、2位:有川浩「植物図鑑」、3位:村上春樹「1Q84 BOOK1・2」、4位:伊坂幸太郎「あるキング」、5位:米澤穂信「ボトルネック」でした。

アクセス解析ツール「Woopra」を試してみました

Woopraの画面  ネットを回遊中に見つけた、アクセス解析ツールの「Woopra(ウープラと読むらしい)」というのを試しに入れてみました。ページ別のアクセス数とか検索ワードとか参照元とかの様々な分析が簡単にできます。

 まぁ、こういった分析はブログの管理画面にもあることが多いけれど、このWoopraがスゴイのはリアルタイムなことです。例えば、誰かがブログにアクセスすると、「アクセスされたページ」と、アクセスした人(PC)の属性として「国」「都市」「会社」「ブラウザ」「OS」などが、瞬時に表示されます。(右の画像を参照)
 これは、はっきり言ってものすごく面白いです。それと同時にものすごく危険なツールです。どうしてかって、一日中でも眺めていられそうだからです。身体を壊しそうです。人間ダメになりそうです(笑)

 さらに驚きのツールもあります。アクセス中のユーザを選んでチャットで話しかけることができます(残念ながら今のところ日本語が文字化けしてしまいます)。やられた方にとってはビックリですよね。ブログを読んでいたら、管理人から「Hello!」なんて話かけられるんですから。(たぶん、私なら慌ててブラウザを閉じると思います。)

Woopraの説明はこちらが詳しいです。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20100324_woopra/

Woopraのオフィシャルサイト
http://www.woopra.com/

再び 本好きのためのSNS「本カフェ」メルマガ

 2ヶ月前にもご紹介した、「本カフェ」メルマガに、また私の書評を載せていただきました。 今回の書評は、森見登美彦さんの「宵山万華鏡」です。このブログの記事を基に少し書き直しました。

 「本カフェ」は本好きのためのSNSで、メルマガは管理人さんのジーナフウガさんが、だいたい毎週月曜日に発行しています。書評は、ジーナフウガさんとSNSメンバーが分担して書いています。
 ジーナフウガさんはじめメンバーはオンライン書店bk1の「書評の鉄人」や、人気書評ブロガーさんたちです。ですから、メルマガ登録(無料)すると、本好きの生の声がメールで皆さんの元に毎週届けられる、というわけです。

 登録は右サイドバーか、こちらのリンクからどうぞ。バックナンバーも見られます。

2009年「今年読んだ本ランキング」投票結果

投票結果 昨年末に2009年の「今年読んだ本ランキング」を発表して、1月末まで右のサイドバーで皆さんに人気投票していただきました。 投票総数は48人でした。投票いただいた方、どうもありがとうございました。

 下に、投票結果を発表します。1位は私の順位と一致していて、「獣の奏者 3.探求編、4.完結編」です、上橋さんの人気は固いですね。3位の「陽気なギャングが地球を回す」は2003年の作品ですが、伊坂ファンからの支持があったのでしょう。
 その点、有川作品2作は有川ファンの票が割れたと思われるものの、2位と5位と共に上位に入ったのはスゴイことかもしれません。翻訳モノのファンタジーは支持を得られず、下位となりました。

順位 私の
順位
タイトル/著者 得票数 Amazonリンク
 獣の奏者 3.探求編、4.完結編 / 上橋菜穂子 12 Amazon
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 植物図鑑 / 有川浩 11 Amazon
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 陽気なギャングが地球を回す / 伊坂幸太郎 Amazon
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 宵山万華鏡 / 森見登美彦 Amazon
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 シアター! / 有川浩 Amazon
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 サクリファイス / 近藤史恵 Amazon
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 流星の絆 / 東野圭吾 Amazon
商品ページへ
 茨文字の魔法 / パトリシア・A・マキリップ Amazon
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10  駆け出し魔法使いと海の呪文 / ダイアン・デュエイン Amazon
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10  魔法の使徒(上)(下) / マーセデス・ラッキー Amazon
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新しい読書の形「親子読み」の提案

 今日はちょっと気負って、新しい読書の形を提案してみたいと思います。それは「親子読み」。これは、私が入っているSNS「本カフェ」のフリーペーパー創刊号に私が書いた記事を基にしています。

 「親子読み」とは私の造語で「親子で同じ本を読む」「その本のことを親子で話す」ことをいいます。小さな子どもを対象とした読み聞かせとは違い、時間的に一緒に読む必要はありません。対象の子どもも小学校高学年から大学生ぐらいまで、つまり意見の交換ができれば広く対象とします。
 そして、本を読むこと自体よりも、読んだ本を薦めたり感想を伝えたりといった、親子のコミュニケーションの方に重きを置きます。SNS「本カフェ」のキャッチフレーズの1つは、「ページを閉じたら伝えたくなった」で、その伝える相手が一番身近な家族であったらどうだろう、と思ったことが「親子読み」を思い付いたきっかけです。

書影

 私の家でも、私が読み終わるのを娘が待ち構えていてすぐに読んでしまうことがあります。そんな時には本の話題で会話が弾みます。そんな「親子読み」にオススメな本が「精霊の守り人」から始まる「守り人」シリーズです。「アジアン・ハイ・ファンタジーの旗手」と形容される著者の代表作です。
 本書が「親子読み」にオススメな理由は、まずストーリーが巧みで面白く読みやすいこと、そして年齢や性別を越えた読者への魅力があることです。本書は児童書に分類されますが大人にも読み応えがあります。
 いや、このような消極的な言い方では充分ではなく、大人にも積極的に訴えてきます。本書には、国の成り立ち、自然に対する畏敬、宿命、親子、仲間など様々なテーマの問いかけがあるのです。子どもは子どもなりに、大人は大人なりに感じることが必ずあり、伝えたいことができるはずです。

 最後に、「年齢層や性別を越える」「精霊の守り人」とそれに続くシリーズは、「親子読み」だけではなく、「夫婦読み」「友達読み」「仲間読み」等にもオススメです。

関連記事
・本読みな暮らし:カテゴリー「上橋菜穂子(守り人)」
・本カフェブログ:本カフェ「ファンタジー好きな人」コミュニティ
 

本好きのためのSNS「本カフェ」メルマガ購読(無料)のオススメ

 私が参加している、本好きのためのSNS「本カフェ」では、管理人さんのジーナフウガさんが、オススメの本の書評とSNSでの話題のメールマガジンを発行しています。だいたい毎週月曜日に配信されるのですが、今日配信の号に私の書評を載せていただきました。

 今回の書評はしばらく前に載せた、小川洋子さんの「猫を抱いて象と泳ぐ」のレビューを基にしたものです。メルマガの書評は、ジーナフウガさんとSNSメンバーが分担して書くことになっていて、いつになるかはまだ決まっていませんが、いずれまた私の番が回ってきます。その時にはまたイチオシの本を紹介したいと思います。

 私のことはともかく、書評を書くのはジーナフウガさんをはじめとするオンライン書店bk1の「書評の鉄人」や、人気書評ブロガーさんが多数いるSNSのメンバーさん。ですから、本選びのハイクオリティな情報がメールで皆さんの元に毎週届けられます。この機会に購読(無料)してみてはいかがですか?
 登録は右サイドバーか、こちらのリンクからどうぞ。

ビーケーワンからギフト券他をいただきました

 書評の投稿をしたり、時々ポイントをいただいたりしてお世話になっているオンライン書店ビーケーワンから、ギフト券やキャンペーンのお知らせをいただきました。

 1つ目は誰でも使えるギフト券。3,000円(税抜)以上の買い物でお一人一回限り、300円券として使えるギフト券です。何冊か本の購入を予定されている方は使ってみてはいかがでしょう?具体的な使い方は、下の枠内をご覧ください。

■ギフト券ご利用方法■
1)ご注文いただく書籍を買物カゴに入れる
2)買物カゴで【レジへ進む】ボタンをクリックする
3)【お支払方法選択画面】で、「bk1ポイント・ギフト券を利用する」にチェックする
4)ギフト券入力欄にギフト券コード[09affivc01080131]を入力する
5)ギフト券300円分が適用となり、ご注文金額の合計から300円分が差し引かれる

■ ギフト券の有効期限■
2010/01/31(日)23:59までご利用いただけます。

■ ご注意■
※税抜3,000円(送料・手数料を除く)以上ご注文の場合にご利用いただけます。
※このギフト券はモバイルビーケーワンではご利用いただけません。
※お一人様が同一のギフト券コードを複数回使用することはできません。
※一度のご注文で複数のギフト券コードを使用することはできません。
※ギフト券コードを紛失した場合、払い戻しや再発行はいたしません。
※ご注文完了後にギフト券を適用することはできません。
※不正な使用が発覚した際はアカウントを停止し、相応の損害賠償請求などを行なわせていただく場合がございます。

ギフト券の利用方法の説明ページはこちら

 2つ目は、10,000円以上(税抜)購入の予定がある方にさらにお得なキャンペーン(2月1日まで)です。
 10,000円以上購入の方には1,000ポイント、30,000円以上で3,000ポイント、50,000円以上では何と5,000ポイントがプレゼントされます。30,000円以上の場合はさらにボーナスポイントも。1ポイント1円ですから、実質的には約10%のキャッシュバック!たくさん本を買う人にはすごくいい話だと思います。詳しくは下のリンクからどうぞ。
オンライン書店ビーケーワン:10,000円以上購入でいずれかプレゼント!
 

あけましておめでとうございます。

 皆さん、あけましておめでとうございます。

 昨年は、本好きのためのSNS「本カフェ」に加入して、そこでたくさんの本好きの方との交流ができました。読んだ本の感想はもちろん、新しい作家さんや本を教えてもらったりして、読書の幅が拡がりました。

 さらに昨年は、100冊ちょうどの本をここで紹介しました。働く場所があること、働きながらも本を読む時間があること、読んだ本の感想をブログに書く余裕があることの幸せを改めて感じます。今年も、この幸せが続くことを祈って止みません。

 それでは、今年が、皆さんにとって良い年でありますように。

2009年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 昨年に引き続いて、今年も読んだ本のランキングを作ってみました。今年はこのブログでこれまでに100冊ちょうど本を紹介することができました。☆を付けなかった雑誌2冊を除くと「☆4つ」は39冊、「☆3つ」は55冊、「☆2つ」が3冊です。何と今年は「☆5つ」がありません。我ながら評価が辛すぎますね。あんなに楽しんでおきながら....
(参考:昨年のランキング

 昨年と同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。また、皆さんからご意見もいただきたく、右のサイドバーに小説部門の人気投票を設けました。お気に入りの本などありましたら、ドンドン投票してください。では、ご覧ください。

■小説部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
獣の奏者 3.探求編、4.完結編 / 上橋菜穂子 Amazon
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人と獣のあるべき姿について、答えは出ないと思っていたが、その答えを用意した続編。エリンの凛とした姿が嬉しい。娘にも読ませたい。
シアター! / 有川浩 Amazon
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表現者としての著者が想いを込めて、表現者としての「劇団」を描いた。狙い澄ましたセリフで人物の心を描写する。文庫で登場が嬉しい。
宵山万華鏡 / 森見登美彦 Amazon
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著者が描くのはグダグダな男子学生だけではない。舞台は祇園祭の宵山。京都の街のきらびやかさの中に潜む妖しさを描き出した傑作。
茨文字の魔法 / パトリシア・A・マキリップ Amazon
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物語全体を幻想的な雰囲気が覆う。幻想文学の名手が描き出した、三千年の時を越えた愛の物語、壮大なスペクタクルファンタジー。
魔法の使徒(上)(下) / マーセデス・ラッキー Amazon
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「ヴァルデマール年代記」に登場する「伝説の魔法使者」の若き日々。屈折した少年の心が痛々しい。魔法の天恵が開花するまでを描く。
流星の絆 / 東野圭吾 Amazon
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ベストセラー作家のベストセラー小説。両親を殺された兄弟妹の3人が寄り添うように生きる、ミステリー&兄弟愛。ラスト20ページに完敗。
植物図鑑 / 有川浩 Amazon
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草食系男子を拾った20代後半女子の物語。顔ヨシ、気配りヨシ、家事ヨシ、料理は特にヨシ、女子騒然の男登場。野草料理がおいしそう。
陽気なギャングが地球を回す / 伊坂幸太郎 Amazon
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現場で必ず演説をぶつ、何とも軽いノリの4人組銀行強盗の物語。「黒」と「白」の伊坂さんがいるとしたら、「白伊坂」のコメディ作品。
サクリファイス / 近藤史恵 Amazon
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250ページ足らずの小品に人間ドラマが詰まっている、読み応えアリの作品。自転車ロードレースの魅力と選手たちが抱える葛藤を描く。
10 駆け出し魔法使いと海の呪文 / ダイアン・デュエイン Amazon
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児童向けファンタジーシリーズの2作目。10代の新米魔法使いたちが世界の破滅を救う。背負った運命の重さに児童書ながら目が離せない。

 今年は、昨年の「ゴールデンスランバー」のように「コレだ!」という作品はありませんでした。世間的には「1Q84」がそれに当たるのでしょうが、気になることもあって10位には入れたくありませんでした。
 他の選外の作品について言うと、伊坂幸太郎さんの「魔王」や、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの「キャットと魔法の卵」、ポール・スチュワートさんの「崖の国物語」あたりが悩んだ作品です。 それから、4位、6位、10位は東京創元社の海外ファンタジーですが、すべて「本が好き!」プロジェクトでいただきました。もし参加していなかったら、手に取ることもなかったと思います。読書の幅を拡げていただいて感謝しています。

■ビジネス・ノンフィクション部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
14歳からの世界金融危機。 / 池上彰 Amazon
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「45分でわかる!」と銘打った本。お手軽が売り物の本には懐疑的だけれど、この本は役に立った。14歳だけに読ませるのはもったいない。
グローバル恐慌 / 浜矩子 Amazon
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米国発の世界金融危機。「危機」などという生優しいものじゃないとの意味が「恐慌」に字に込められる。出口が見えない現状を斬った良書。
フラット化する世界 増補改訂版(上)(下) / トーマス・フリードマン Amazon
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障壁が除かれ世界中の人がゲームに参加する現在から未来を展望。私たちは守勢に回らるしかないのか?対策はあるのか?を解説。
ローマ亡き後の地中海世界(上)(下) / 塩野七生 Amazon
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著者の15年間にわたって執筆された「ローマ人の物語」全15巻の完結から2年、同じ目で著者が見た「ローマ後」を書いた事実上の続編。
かっこちゃんI / 池田奈都子 Amazon
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このブログでは取り上げることが珍しいコミック。特別支援学校の先生の話。ハンディのある子どもたちとその家族の生の感動を伝える。

 1位、2位は、昨年の後半から続く景気の悪化が生んだ本とも言えます。3位はさらにそこに構造的な問題が提示されています。当たり前と言えばそれまでですが、ノンフィクションの読書は世相を反映するようですね。ランク外では「中学生が考える-私たちのケータイ、ネットとのつきあい方」が☆4つでした。
 

「事業仕分け」の中継を見て思うこと。

 本のことしか書かないことにしているこのブログですが、今日は違うテーマのことを書きます。私の思いを一番たくさんの方に知ってもらえる場がこのブログなので。本の話題を読みに来られた読者の皆さんには申し訳ないです。
 今日書きたいことは、連日報道されている「事業仕分け」のこと。その様子を中継で見ていると、気分が落ち込みます。「来年度の予算を何とかして縮減しよう」という目的の作業だから仕方ないのだけれど、何かを止める話ばかりで...

 例えば、ニュースで「仕分け人があきれる」と報道された「携帯メールで就職相談」、正式には「キャリア・コンサルティングによるメール相談事業」は「廃止」となりました。1日50件のメール相談に32人で対応する人件費が1億円だそうです。
 相談員1人当たりでは、1日2件弱のメール相談に対応するのに年間312万円という計算。これはトンデモナイ。と多くの人が思ったようで、事業仕分け会場も失笑が響き、仕分け人も笑いながら質問するありさまでした。
 ムダな予算が無くなって良かった、と一見何の問題もないようですが、私はここには落とし穴があるように思うのです。なぜ「廃止」なのか。件数が費用に見合わないことが問題であれば見合うようすればいいのであって「廃止」が対策ではないはずです。
 1億円が高いのであればいくらならいいのか?1日50件が少ないのであれば何件ならいいのか?そういう議論をすべきです。(仕分け人から「1人1日100件」なんて発言はありました。でも、これは思慮が足りなさすぎる。1日8時間として1件の相談に5分弱。そんなおざなりな相談業務がいいとは思えません。)

 もちろんこの事業が無意味なのものなら「廃止」すればいいです。しかし初年度の昨年度実績で11,960人が利用して9割が「満足」と答えている事業です(どのような調査、統計かは不明ですが)。そして今年度は目標15,000人以上で、実績は前年より利用者が大幅に増える見込みだそうです。来年度はさらに..ということでしょう。
 こうなると無意味とは言えない。来年度にこの事業がなくなれば、相談できるはずだった15,000人超の人はどうなるのかという問題も出てくる。その人の立場になって考えると、笑いながら「廃止」と決める仕分け人に怒りさえ感じます。
 300百万人以上いる失業者の内の1.5万人は、0.5%以下かもしれないけれど、人を「割合」で見てしまうのは現場から遊離した「お上」的視点です。目の前の一人一人の問題解決の積み重ねでしか、300万人を救う道はない、という思考が必要だと思います。
 そして、司会者は「民間やハローワーク、厚労省の職員が業務の間にやったらどうか?」なんておっしゃってましたが、これは無責任だと思います。元市長の仕分け人は「若者を支えて、カウンセリングをして支えている人たちが、どんな費用でどれだけ頑張っているか、現場に行ってくださいよ!」と憮然としておられました。厚労省の能天気さに苛立つ気持ちは分かりますが、この事業を廃止するとそういった現場の皆さんの負担が増えてしまうはずです。

 実は私は以前から「費用対効果」という言葉を予算削減の目的で使うことには懐疑的です。もちろん官僚や自治体のお金の使い方に「費用対効果」の考えが乏しかったのは確かでしょう。その点は改める必要があります。
 しかし、この指標は分母となる「費用」はゼロに近いほどいい。「効果」を増やす着眼点を持たないで、予算(つまり費用)削減という目的が前提となれば、最も効果が費用を上回る1事業だけを残して他は全部止め、という時にこの指標は極大値となり、予算削減の目的とも合致します。
 つまり「費用対効果」を絶対視して政策決定を推し進めれば、最小限のことしかしない「小さな政府」が生まれます。これを進めた小泉政権の政策の反省から生まれたはずの現政権が、さらに小さな政府を指向しているとは思えないのですが、そうなる危険が大きい。
 私が感じた「落とし穴」は、言い換えれば、このように大方の思いとは正反対の方向で物事が進んでいるのにそう気が付かないでいるのではないか?という心配です。皆さんはどう思われますか?

※(2009.11.18追記)11月17日から、この記事への検索エンジン経由でないアクセスが急増しています。どこかでリンクが紹介されているのでしょうか?心当たりのある方は、コメントかメールでお知らせいただけるとうれしいです。