2012年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 今年で5回目で恒例となった「今年読んだ本のランキング」を作りました。昨年までと同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。
(参考:過去のランキング2011年2010年2009年2008年

 今年このブログで紹介した本は103作品でした。☆の数は、「☆4つ」が34個、「☆3つ」は64個、「☆2つ」が5個。何と「☆5つ」が1つもありません。そう言えば「これは面白かった!」と印象に残る作品が思い浮かびません。それを知った時はとても残念に思いましたが、今は「まぁそういう年もあるさ」と開き直っています。

 また、昨年「☆3つ」が7割を超えてしまったので、今年は良いものは「☆4つ」、良くないものは「☆2つ」を、積極的に付けようと思っていました。少しはその成果が出たようですが、まだまだ「☆3つ」が圧倒的で、☆の意味があまりなくたってしまうことには変わりなく、今後の課題として、さらに越年することになりました。

■小説部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
ジェノサイド / 高野和明 Amazon
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アフリカに出現した、人類絶滅の可能性を秘めた新種の生物を巡る、米国、日本、アフリカ奥地の世界三元中継のジェットコースターアクションサスペンス。
ルーズヴェルト・ゲーム / 池井戸潤 Amazon
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実業団野球チームを擁する中堅電子部品メーカー。会社の厳しい経営状況に、チームが存続が危ぶまれる。身の内に葛藤を抱えつつ、その技術力とチームワークで危機に立ち向かう
海の底 / 有川浩

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塩の街」「空の中」に続く自衛隊三部作の最後の作品。巨大なザリガニに襲われた横須賀の街と、孤立した潜水艦の中のドラマ。デビュー3作目にして驚きの大作。
空飛ぶ広報室 / 有川浩 Amazon
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「自衛隊三部作」以来続く、著者お得意の「自衛隊・ミリタリー+恋愛」作品。航空自衛隊の広報室を舞台に展開する、複数のラブロマンス、自衛隊やマスコミ、世間の有り様を描く。
空色勾玉白鳥異伝薄紅天女  / 荻原規子 Amazon
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著者のデビュー三部作にして、代表作シリーズ。不思議な力を秘める勾玉を巡る、神代の時代から奈良時代まで、時代を移しながらの壮大な物語。
真夜中のパン屋さん 1 / 大沼紀子 Amazon
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累計68.5万部のベストセラーシリーズ。深夜11時から翌朝5時まで開店しているパン屋が舞台のミステリー。個性的な登場人物たちが織りなす心温まる物語。
謎手本忠臣蔵(上)(下) / 加藤廣 Amazon
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「忠臣蔵」として知られる、赤穂浪士討ち入り事件の、こうだったかも知れない真相。語り尽くされた物語を、将軍綱吉の御側用人の柳沢保明の目を通して「新たな光」で照らす。
忍びの国 / 和田竜 Amazon
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「のぼうの城」でネオ時代小説の旗手となった著者の第2作。信長の次男の信雄が伊賀の国に攻め入った、「天正伊賀の乱」を描いた戦国エンタテイメント。
炎路を行く者 / 上橋菜穂子 Amazon
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著者の代表作「守り人」シリーズのスピンアウト。その存在だけが知られ、ファンが公開を待望した「炎路の旅人」と、「守り人」の主人公バルサの若き日を描いた「十五の我には」を収録。
10 機関車先生 / 伊集院静 Amazon
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瀬戸内海の小島の全生徒7人の小学校。そこに赴任した誠吾は病気が原因で話すことができない。誠吾と子どもたち、海を相手にした厳しい暮らしをする島の人々との触れ合いを描く。

 今年は例年にも増して悩みました。☆5つがないために、横並びで数多い☆4つの中から10個を選ぶのに苦労しました。ランキングと銘打っているので、一応順位を付けましたが、考える度に違う気がします。(実は、1位が「ジェノサイド」でいいのかさえ確信が持てません)。

 特徴的なのは、昨年に続いて有川浩さんの作品が2つ入ったこと、昨年の1位「下町ロケット」続いて池井戸潤さんの作品が2位になったこと、時代小説が2つ入ったことでしょうか。

 選外の作品について言うと、東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、伊坂幸太郎さんの「あるキング」、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」をランキング入りさせるかどうか迷いました。それから話題作の「ビブリア古書堂の事件手帖3」も。

■ビジネス・ノンフィクション部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
絶望の国の幸福な若者たち / 古市憲寿 Amazon
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26歳の気鋭の社会学者による「若者論」。年金や医療問題などで明るい将来像が描けない中で、20代の7割が現在の生活に「満足している」と答えている。その意味を考察する。
誰のためのデザイン? / D.A.ノーマン Amazon
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日常使う製品のデザインはどうあるべきか?を、認知科学の視点から考察した本で、出版後20年以上も版を重ねる良書。商品開発、工業デザインに関わる人には読んでもらいたい。
挑む力 世界一を獲った富士通の流儀 / 片瀬京子、田島篤 Amazon
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「2位じゃダメなんでしょうか?」が耳目を集めた、スーパーコンピュータ「京」など、困難なプロジェクトに挑んで成し遂げた人々を取材した本。富士通には良い宣伝となっただろう。
日本でいちばん大切にしたい会社 / 坂本光司 Amazon
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著者が訪問した6000社を超える企業の中で、「日本でいちばん大切にしたい」と思う会社数社を紹介。「大切にしたい」会社は、関係するすべての人を「大切にする」会社だったと分かる。
お友だちからお願いします / 三浦しをん Amazon
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著者が新聞や雑誌などから依頼を受けて書いた95編のエッセイ集。そのほとんどでニヤニヤしっぱなし。小説作品の裏話的なものもあって、著者とお友だちになりたくなる本。

 相変わらず先行き不透明な社会情勢ですが、ランキング入りした本には、悲観ばかりしていても仕方がない、良い種を見つけてそれを育てよう、と考えさせられました。選外ですが「日本でいちばん元気な商店街」もそうした本でした。
 それから2位、3位、4位は、それぞれ別のところから献本いただいた本です。いただいた本が私の物の見方や知識を広げることに役立っているわけで、感謝の気持ちを新たにしました。

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