著 者:シドニィ・シェルダン
出版社:アカデミー出版
出版日:1996年10月10日
評 価:☆☆☆(説明)
久しぶりに読んだシドニィ・シェルダン。
知っての通りストーリー展開の巧みさとドンデン返しが特長の作家。意訳を超えて日本語らしく読みやすくした超訳が売りの出版社。なるほど読みやすく、ドンデン返しも伏線もあり楽しめた。でも、「ゲームの達人」や「時間の砂」など、最初のころの作品ほど面白くなかった。その他の作品も何冊か読んだけれど、それと比べても平板な感じがした。
ストーリーは、田舎の大学教授がルーマニア大使に抜擢されて活躍する話。最後には命も狙われるが、それでも機転を効かせて難を逃れる。
ドンデン返しがあると思って読んでいるからか、善人が善く、悪人が悪く描かれすぎているのが途中から気になった。少し度が過ぎる。また、大使としてルーマニア政府の要人と交渉するのだが、あまりに単純で驚く。うすっぺらでリアリティが感じられない。ストーリー展開は面白いので、それに水を差している感じ。
軽い読み物としては素直に楽しむには良いのかも。わざわざ、意地悪な見方をすることもないか。
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