ストラヴァガンザ 仮面の都

著 者:メアリ・ホフマン 訳:乾侑美子
出版社:小学館
出版日:2003年12月10日 初版第1刷発行 
評 価:☆☆☆☆(説明)

 本好きのためのSNS「本カフェ」の、ファンタジーに詳しいメンバーさんに教えてもらった本。本書「仮面の都」に「星の都」「花の都」と続く三部作。時空を越えて別の世界に旅することを「ストラヴァガント」と言い、タイトルの「ストラヴァガンザ」は、「ストラヴァガント」をめぐる一切のことをさす。本書は、時空を越えた冒険物語シリーズの幕開け、というわけだ。

 主人公は、ロンドンに住む15歳の少年ルシアン。悪性腫瘍を患っていて、病気のためか治療の副作用か、ベッドの上で口をきくのもつらい状態だった。そんな彼がふとしたきっかけで「ストラヴァガント」した先は、ヴェネツィアに似た美しい水の都ベレッツァで、時代は16世紀ごろらしい。
 ルシアンはロンドンとベレッツァを行き来するようになる。ロンドンでは病気療養中だが、ベレッツァでは健康で活動的に動き回れる。そしてベレッツァの、これまた活動的な同い年の少女アリアンナと友達になる。

 物語は、ドゥチェッサというベレッツァを治める女公主が持つ秘密と、対抗するレーマ公国のキミチー家との確執をタテ糸に、ルシアンの二重生活と彼を取り巻く人々との触れ合いをヨコ糸に織られていく。
 アリアンナを始めとして、ベレッツァの人びとがそれぞれとても魅力的だ。特に女性たちが。アリアンナ、彼女のおばさんやおばあさん、ドウチェッサを務めるシルヴィア、みんな自分がすべきことが分かっている。楽しめた。

 にほんブログ村「ファンタジー」ブログコミュニティへ
 (ファンタジー小説についてのブログ記事が集まっています。)

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です