予知夢

著 者:東野圭吾
出版社:文藝春秋
出版日:2003年8月10日 第1刷 2011年6月1日 第43刷
評 価:☆☆☆(説明)

 「ガリレオ」シリーズの第2弾、2000年刊行。第1弾の「探偵ガリレオ」と同じく、天才物理学者の湯川博士の推理が冴える連作短編ミステリー。「夢想る(ゆめみる)」「霊視る(みえる)」「騒霊ぐ(さわぐ)」「絞殺る(しめる)」「予知る(しる)」の5編を収録。

 多少強引な読み方をする三文字のタイトルは前作と同じ。「殺人の被害者が同時刻に別の場所で目撃される」「地震でもないのに、突然部屋全体が振動する」「自殺の現場を3日前に予知夢で見た少女」など、超常現象的な事件が起きることも同様だ。

 しかし前作と多少違って、事件の真相と物理学の知識の関わりが小さくなったように思う。真相部分に、レーザーや超音波などを駆使した前作と比べると、今回は犯人の手間ひまを感じる、いわゆる「トリック」を使ったものが多い。

 言い換えると、天才物理学者でなくても事件の謎を解ける。つまり私でも(この記事を読んでいるあなたでも)真相に近づける、というわけだ。「湯川博士の名推理」を楽しむだけでも十分なのだけれど、敢えて自分で謎解きに挑戦してみるのもいいかもしれない。

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