今年で4回目ですから、そろそろ「恒例の」と言ってもいいかと思いますが、今年読んだ本のランキングを作ってみました。昨年までと同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。
(参考:過去のランキング2010年/2009年/2008年)
今年このブログで紹介した本は102作品でした。☆の数は、「☆5つ」が2つ、「☆4つ」は24、「☆3つ」は72、「☆2つ」が2つ(☆を付けなかったのが1つ)です。以前から多かった「☆3つ」が、今年はさらに増えて7割にもなってしまいました。正直に言うと、☆3つの中にも、☆3.5(4にはあと一歩だけれどかなりイイ)や、☆2.5(2にするのは申し訳ないので3)を付けたいものもあります。これを区別するかどうかが、まぁ今後の課題です。
■小説部門■
順位 | タイトル/著者/ひとこと | Amazonリンク |
1 | 下町ロケット / 池井戸潤 | Amazon 商品ページへ |
取引先や銀行の身勝手で、存続さえ危ぶまれた下町の町工場。自らの技術力によって、巨大企業を相手に渡り合い一歩も引かない姿に勇気付けられる。 | ||
2 | シアター!2 / 有川浩 | Amazon 商品ページへ |
そこそこ力のある小劇団の面々による群像劇の第2弾。個性的なキャラクターたちが活き活きと動き回る。芝居への想いも恋心も衝突も、すべてが「青春」。 | ||
3 | 折れた竜骨 / 米澤穂信 | Amazon 商品情報へ |
12世紀末の北海に浮かぶ島を舞台にしたファンタジーかつ本格ミステリー。魔法も魔術もありの世界と、「密室殺人」の本格推理を両立させた逸品。 | ||
4 | 県庁おもてなし課 / 有川浩 | Amazon 商品ページへ |
恋する観光小説。高知県に実在する「おもてなし課」が舞台。グダグダだった課員たちが、「使える集団」になっていく。ラブストーリーも直球と変化球の2つ。 | ||
5 | ストラヴァガンザ / メアリ・ホフマン | Amazon 商品ページへ |
現代のロンドンと、16世紀頃のイタリアに似た街とを行き来するタイムトラベル作品。「仮面の都」「星の都」「花の都」の3部作。恋と冒険がドラマチックに展開。 | ||
6 | ビブリア古書堂の事件手帖1、2 / 三上延 | Amazon 商品ページへ |
現在累計87万部のベストセラーシリーズ。古書店を舞台に、心から本を愛する美人店主が、本にまつわる物語を語り、謎を解く。「本好き」を狙い撃ちです。 | ||
7 | コロヨシ!! / 三崎亜記 | Amazon 商品ページへ |
主人公は「掃除部」のエースの高校2年生。現代の日本のようでいて、少し軸がズレた異世界。著者の独特の怪しげな世界観の元で展開される「青春小説」。 | ||
8 | 真夏の方程式 / 東野圭吾 | Amazon 商品ページへ |
天才物理学者の湯川博士が活躍する「ガリレオ」シリーズ最新刊。美しい海辺の街で起きた殺人事件。子ども嫌いの湯川と小学生の触れ合いが微笑ましい。 | ||
9 | きみの友だち / 重松清 | Amazon 商品ページへ |
著者は、その心のひだをそっとなぞるように、子どもたちを丁寧に描く。小学生・中学生に寄りそう10編の短編集。すべてに登場する恵美の心が切ない。 | ||
10 | 偉大なる、しゅららぼん / 万城目学 | Amazon 商品ページへ |
奈良 京都 大阪と、関西の街を奇想天外な騒動に巻き込んだ著者が今回選んだのは「琵琶湖」。特別な力を授けられた「湖の民」の物語。大スペクタクルあり。 |
毎度のことですが、ずいぶん悩みました。10個を選ぶのに悩み、順位を付けるのにさらに悩み...。有川浩さんの作品が2つ入りました。実はこれまでの3回全部にランクインしていて、つくづく私は有川さんの作品が好きなんだなぁと思いました。
また、「折れた竜骨」「ストラヴァガンザ」「コロヨシ!!」「きみの友だち」は、それぞれ本好きのためのSNS「本カフェ」のメンバーさんたちに教えてもらった本です。良い本との出会いをいただいて、感謝しています。
選外の作品について言うと、「神様のカルテ」とか「謎解きはディナーのあとで」といった、話題の本をどうしようか迷いました。映像化もされて、世間一般にも話題になってしまうと、少し気持ちが落ち着いてしまうんですね(天邪鬼ですね)。それから森見登美彦さんの「四畳半王国見聞録」。私としてはとても面白かったのですが、あまりに「男汁」が濃くて躊躇してしまいました(笑)
■ビジネス・ノンフィクション部門■
順位 | タイトル/著者/ひとこと | Amazonリンク |
1 | 知事抹殺 / 佐藤栄佐久 | Amazon 商品ページへ |
コトが起こって初めてクローズアップされる。本書もそんな一つ。原発の是非、検察への疑問、今年になって私たちが意識したことを、2年先取りしていた本。 | ||
2 | 「ニート」って言うな! / 本田由紀 他 | Amazon 商品ページへ |
「ニート」=自立していない、甘えている、といったネガティブなイメージは、問題を個人の資質に帰してしまった。それを基にした支援策の歪みを指摘する。 | ||
3 | 体制維新-大阪都 / 橋下徹 堺屋太一 | Amazon 商品ページへ |
橋下大阪市長の「大阪都構想」を記した本。支持する/しないに関わらず、よく理解した方が良いと思う。「なんとなく良さそう」で投票することのないように。 | ||
4 | 20代で身につけたい質問力 / 清宮普美代 | Amazon 商品ページへ |
「上司に好かれる上手い質問」というような、HowTo本とは違って、問題解決力や組織力の向上を目的とした質問の仕方を解説。20代以外でも役立つ。 | ||
5 | 森見登美彦の京都ぐるぐる案内 / 森見登美彦 | Amazon 商品ページへ |
森見登美彦さんの、私的「京都ガイドブック」。極端に偏りがあるので、一般には適さないと思うけれど、森見ファン、京大関係者にはウケること間違いなし。 |
今年は、私たちが「何かを真剣に考える」ことを促された年でした。今年起きた事件・事故によってクローズアップされた原発、検察の問題は、1位の「知事抹殺」ですでに提起されていました。「「ニート」って言うな!」「体制維新」で書かれている、就労の問題や自治の問題にも、一段高い「真剣さ」が必要な気がします。来年には少しでも明るさが見えるようにしたいです。
参考になりました。
来年も期待しています。
2011年のベスト
さて 今年ももうこの時期ですか
というわけで 今年のベスト
まずは小説編
第1位 「光媒の花」
文学性とミステリ性のバランス
道尾さんらしいテーマと その深さ まさに1つの到達点
第2位 「俺俺」
シュールな設定 奇妙ながら引き……
YO-SHIさん あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
今年のランキング、楽しみにしていました。
YO-SHIさんのランキングは、今後私が読む本の参考になります。
まずは「下町ロケット」読んでみます!
「四畳半王国見聞録」は私も好きな本なのですが、ランキングに入れる勇気がありませんでした…。
森見さん、早く復活してほしいです。
2011年まとめ
今年は読書メーターの本棚で。
なんと年間82冊!いつもの年の半分ぐらい…。iPhoneにした途端、読書量が減ったのが明らか。あたらしいおもちゃは楽しいけど、そろそろ読書に戻ろうか …
kenjiさん、コメントありがとうございます。
期待に応えられるよう、本読みに励みたいと思います。
kennjiさんも、よろしければ同じ本を読んだ時などに、
感想を寄せていただけるとうれしいです。
—-
たかこさん、コメントありがとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
たかこさんの、「2011年心に残った本ランキング」も
拝見しました。私が読んだことがあるのは「八日目の蝉」
だけでした。
江國香織さんの作品は、あまり読んだことがないので、
ランクインしたどれか1冊から読んでみたいと思います。