2011年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 今年で4回目ですから、そろそろ「恒例の」と言ってもいいかと思いますが、今年読んだ本のランキングを作ってみました。昨年までと同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。
(参考:過去のランキング2010年2009年2008年

 今年このブログで紹介した本は102作品でした。☆の数は、「☆5つ」が2つ、「☆4つ」は24、「☆3つ」は72、「☆2つ」が2つ(☆を付けなかったのが1つ)です。以前から多かった「☆3つ」が、今年はさらに増えて7割にもなってしまいました。正直に言うと、☆3つの中にも、☆3.5(4にはあと一歩だけれどかなりイイ)や、☆2.5(2にするのは申し訳ないので3)を付けたいものもあります。これを区別するかどうかが、まぁ今後の課題です。

■小説部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
下町ロケット / 池井戸潤 Amazon
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取引先や銀行の身勝手で、存続さえ危ぶまれた下町の町工場。自らの技術力によって、巨大企業を相手に渡り合い一歩も引かない姿に勇気付けられる。
シアター!2 / 有川浩 Amazon
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そこそこ力のある小劇団の面々による群像劇の第2弾。個性的なキャラクターたちが活き活きと動き回る。芝居への想いも恋心も衝突も、すべてが「青春」。
折れた竜骨 / 米澤穂信 Amazon
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12世紀末の北海に浮かぶ島を舞台にしたファンタジーかつ本格ミステリー。魔法も魔術もありの世界と、「密室殺人」の本格推理を両立させた逸品。
県庁おもてなし課 / 有川浩 Amazon
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恋する観光小説。高知県に実在する「おもてなし課」が舞台。グダグダだった課員たちが、「使える集団」になっていく。ラブストーリーも直球と変化球の2つ。
ストラヴァガンザ / メアリ・ホフマン Amazon
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現代のロンドンと、16世紀頃のイタリアに似た街とを行き来するタイムトラベル作品。「仮面の都」「星の都」「花の都」の3部作。恋と冒険がドラマチックに展開。
ビブリア古書堂の事件手帖1 / 三上延 Amazon
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現在累計87万部のベストセラーシリーズ。古書店を舞台に、心から本を愛する美人店主が、本にまつわる物語を語り、謎を解く。「本好き」を狙い撃ちです。
コロヨシ!! / 三崎亜記 Amazon
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主人公は「掃除部」のエースの高校2年生。現代の日本のようでいて、少し軸がズレた異世界。著者の独特の怪しげな世界観の元で展開される「青春小説」。
真夏の方程式 / 東野圭吾 Amazon
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天才物理学者の湯川博士が活躍する「ガリレオ」シリーズ最新刊。美しい海辺の街で起きた殺人事件。子ども嫌いの湯川と小学生の触れ合いが微笑ましい。
きみの友だち / 重松清 Amazon
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著者は、その心のひだをそっとなぞるように、子どもたちを丁寧に描く。小学生・中学生に寄りそう10編の短編集。すべてに登場する恵美の心が切ない。
10 偉大なる、しゅららぼん / 万城目学 Amazon
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奈良 京都 大阪と、関西の街を奇想天外な騒動に巻き込んだ著者が今回選んだのは「琵琶湖」。特別な力を授けられた「湖の民」の物語。大スペクタクルあり。

 毎度のことですが、ずいぶん悩みました。10個を選ぶのに悩み、順位を付けるのにさらに悩み...。有川浩さんの作品が2つ入りました。実はこれまでの3回全部にランクインしていて、つくづく私は有川さんの作品が好きなんだなぁと思いました。
 また、「折れた竜骨」「ストラヴァガンザ」「コロヨシ!!」「きみの友だち」は、それぞれ本好きのためのSNS「本カフェ」のメンバーさんたちに教えてもらった本です。良い本との出会いをいただいて、感謝しています。

 選外の作品について言うと、「神様のカルテ」とか「謎解きはディナーのあとで」といった、話題の本をどうしようか迷いました。映像化もされて、世間一般にも話題になってしまうと、少し気持ちが落ち着いてしまうんですね(天邪鬼ですね)。それから森見登美彦さんの「四畳半王国見聞録」。私としてはとても面白かったのですが、あまりに「男汁」が濃くて躊躇してしまいました(笑)

■ビジネス・ノンフィクション部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
知事抹殺 / 佐藤栄佐久 Amazon
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コトが起こって初めてクローズアップされる。本書もそんな一つ。原発の是非、検察への疑問、今年になって私たちが意識したことを、2年先取りしていた本。
「ニート」って言うな! / 本田由紀 他 Amazon
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「ニート」=自立していない、甘えている、といったネガティブなイメージは、問題を個人の資質に帰してしまった。それを基にした支援策の歪みを指摘する。
体制維新-大阪都 / 橋下徹 堺屋太一 Amazon
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橋下大阪市長の「大阪都構想」を記した本。支持する/しないに関わらず、よく理解した方が良いと思う。「なんとなく良さそう」で投票することのないように。
20代で身につけたい質問力 / 清宮普美代 Amazon
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「上司に好かれる上手い質問」というような、HowTo本とは違って、問題解決力や組織力の向上を目的とした質問の仕方を解説。20代以外でも役立つ。
森見登美彦の京都ぐるぐる案内 / 森見登美彦 Amazon
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森見登美彦さんの、私的「京都ガイドブック」。極端に偏りがあるので、一般には適さないと思うけれど、森見ファン、京大関係者にはウケること間違いなし。

 今年は、私たちが「何かを真剣に考える」ことを促された年でした。今年起きた事件・事故によってクローズアップされた原発、検察の問題は、1位の「知事抹殺」ですでに提起されていました。「「ニート」って言うな!」「体制維新」で書かれている、就労の問題や自治の問題にも、一段高い「真剣さ」が必要な気がします。来年には少しでも明るさが見えるようにしたいです。

5つのコメントが “2011年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。”にありました

  1. 笑う学生の生活

    2011年のベスト

    さて 今年ももうこの時期ですか
    というわけで 今年のベスト
    まずは小説編
    第1位 「光媒の花」
         文学性とミステリ性のバランス
         道尾さんらしいテーマと その深さ まさに1つの到達点
    第2位 「俺俺」
         シュールな設定 奇妙ながら引き……

  2. たかこ

    YO-SHIさん あけましておめでとうございます。
    今年もよろしくお願い致します。

    今年のランキング、楽しみにしていました。
    YO-SHIさんのランキングは、今後私が読む本の参考になります。
    まずは「下町ロケット」読んでみます!

    「四畳半王国見聞録」は私も好きな本なのですが、ランキングに入れる勇気がありませんでした…。
    森見さん、早く復活してほしいです。

  3. たかこの記憶領域

    2011年まとめ

    今年は読書メーターの本棚で。
    なんと年間82冊!いつもの年の半分ぐらい…。iPhoneにした途端、読書量が減ったのが明らか。あたらしいおもちゃは楽しいけど、そろそろ読書に戻ろうか …

  4. YO-SHI

    kenjiさん、コメントありがとうございます。

    期待に応えられるよう、本読みに励みたいと思います。
    kennjiさんも、よろしければ同じ本を読んだ時などに、
    感想を寄せていただけるとうれしいです。

    —-
    たかこさん、コメントありがとうございます。
    こちらこそ、今年もよろしくお願いします。

    たかこさんの、「2011年心に残った本ランキング」も
    拝見しました。私が読んだことがあるのは「八日目の蝉」
    だけでした。
    江國香織さんの作品は、あまり読んだことがないので、
    ランクインしたどれか1冊から読んでみたいと思います。

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