未分類

総記事数が1000本になりました!

Sum

 7月19日の「世界を変えた10冊の本」の記事が、このブログの1000本目の記事となりました。2002年9月4日の「海底二万海里」が1本目の記事ですから、約13年で大きな区切りに辿り着きました。

 何か記念になるようなことをやったり、せめて気の利いた言葉でも残したりすればいいのですが、数日前に気が付いたばかりで、何も準備できてません。

 そう言えばと思って、全体の記事数とは別に、レビュー記事数つまり紹介した作品の数を数えてみると...911でした。6月10日の「どうする定年 50歳からの巻き返し!」が900作品目でした。

 実は600本、700本も気付かずに過ぎてしまい、800本の時の記事で、「昨日なぜか集計しようと思い立って数えてみたら、ぴったり800本でした。天啓かもしれません。」なんて書いてますが、天啓は1度きりなのか、そうでなければただの偶然だったようです。

 本を読める幸せに感謝しつつ、レビュー記事1000本を次の目標に、これからも精進します。

勝手に予想!本屋大賞

書影
書影
書影
書影

 明日4月7日は本屋大賞の発表日です。今年は10作品がノミネートされていますが、そのうちの9作品を読みました。

 読んだのは「アイネクライネナハトムジーク」「怒り」「億男」「キャプテンサンダーボルト」「サラバ!」「鹿の王」「ハケンアニメ!」「本屋さんのダイアナ」「満願」、読んでいないのは「土漠の花」です。

 はなはだ厚顔ではありますが、私の予想を発表します。

 大賞:「サラバ!」 2位:「キャプテンサンダーボルト」 3~4位:「鹿の王」「ハケンアニメ!」

 「サラバ!」は、すでに直木賞を受賞しているので、販売促進の効果を考えればどうかと思いますが、作品の「熱量」のようなものが、他の作品よりアタマ一つ抜け出ているように思い「大賞」にしました。

 「キャプテンサンダーボルト」は、「サラバ!」とどちらにするか迷いました。こちらには「作家2人の合作」という話題性もあるので。ただ、どちらかを選ばないといけないので、こちらを2位にしました。

 「鹿の王」「ハケンアニメ!」は、どちらも十分に面白い(特に「ハケンアニメ!」には、私はレビュー記事で☆5つを付けています)ですが、「ファンタジー」や「ライトノベル(風)」という、ジャンル分けによって読者が限られてしまうかと思い、3~4位にしました。

—-2015.4.8 追記—-

大賞は「鹿の王」に決定しました。2位「サラバ!」、3位「ハケンアニメ!」です。大賞の予想は外してしまいましたが、上位3作品の名前はキッチリあがっているので、まずますかな?と思います。

まったく気にしていなかったのですが、翻訳小説部門は「その女、アレックス」が第1位になりました。レビュー記事にも書きましたが、この作品は「読むのにキツイ」本です。読まれる方はご用心を...

 人気ブログランキング「本・読書」ページへ
 にほんブログ村「書評・レビュー」ページへ
 (たくさんの感想や書評のブログ記事が集まっています。)

あけましておめでとうございます。

 皆さん、あけましておめでとうございます。

 昨年は、2月に大雪に見舞われたことが原因となって読書ペースが乱れたことが、意外と後を引いてしまいました。それでも何とか100作品を紹介することができました。2010年から5年連続で100作品超えとなりました(最後に帳尻合わせで100作品にしたことを否定しません(笑))。

 2月の豪雪、9月の御嶽山噴火、11月の長野県北部地震と、私自身には被害はないものの、2014年は身近に起きた災害が多い年でした。この国にというか、この星に住む以上、いつどのような災害に見舞われるかわからない、「備えよ常に(ボーイスカウト、ガールスカウトのモットー)」という言葉をかみしめています。

 それでは、今年が、皆さんにとって良い年でありますように。

2014年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 恒例となった「今年読んだ本のランキング」を作りました。昨年までと同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。
(参考:過去のランキング 2013年2012年2011年2010年2009年2008年

 今年このブログで紹介した本は100作品でした。☆の数は、「☆5つ」が0個、「☆4つ」が51個、「☆3つ」は47個、「☆2つ」が2個。です。
 「☆4つ」が51個あっても「☆5つ」はゼロ個と、「もう少し気前よく星5つを出せばいいのに」と思わないこともないのです。しかし、こうなってくると「これは!」と、絶対の自信がある本に出会わない限りは、「☆5つ」が出せなくなってしまってます。

■小説部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
村上海賊の娘(上)(下) / 和田竜 Amazon
商品ページへ
戦国時代の村上水軍の娘が主人公。醜女で悍婦、つまり「ブサイクで気が荒い」けれど魅力的な主人公の活躍と、「阿保やで、あいつ!」が賛辞となる、関西気質が全編に行き渡った作品。
永遠のゼロ / 百田尚樹 Amazon
商品ページへ
第二次次世界大戦時の大日本帝国海軍で、特攻隊員として散ったひとりの青年を描く。同時に、60年あまり前に破滅的な作戦に突き進んんだ、当時の日本のあり様を浮かび上がらせる。
インフェルノ(上)(下) / ダン・ブラウン Amazon
    商品ページへ
宗教象徴学者のラングドン教授のシリーズ第4弾。今回のテーマはダンテの「神曲」。謎解き、美人との逃避行、危機一髪。お馴染みの展開ながら、今回の陰謀と結末はこれまでで一番怖い。
心星ひとつ みをつくし料理帖 / 高田郁 Amazon
    商品ページへ
料理屋の板前の澪が、かつて修業した店の再興と、吉原にいる幼馴染との平和な暮らしという2つの望みのため、料理に取り組む。シリーズ第6作の本作で澪は大きな決断をすることになる。
キャプテンサンダーボルト / 阿部和重、伊坂幸太郎 Amazon
商品ページへ
芥川賞作家と本屋大賞作家の異色の合作。1945年に墜落したB29。致死率70%強の伝染病、戦隊ヒーロー映画の突然の公開中止、銀髪の怪人。伊坂作品らしいエンタテイメント作品。
明日の子供たち / 有川浩 Amazon
商品ページへ
児童養護施設を舞台とした群像劇。たくさんの対立や苦い経験を経て物語は大きなうねりを形作る。ラブストーリーあり、自衛隊あり、カッコおっさん(おばさんも)あり。有川作品らしい秀作。
思い出のマーニー / ジョーン・G・ロビンソン Amazon
商品ページへ
アンナとマーニーという2人の少女の邂逅を描く。喘息の転地療養に来たアンナは「心の問題」も抱えているらしい。アンナの成長、マーニーとは誰なのか?たくさんの読みどころがある物語。
いつまでもショパン / 中山七里 Amazon
商品ページへ
天才ピアニストの岬洋介が、その洞察力を持って事件を推理するシリーズの第3作。今回の事件は、ポーランドの首都ワルシャワでの国際コンクールでの殺人事件。骨太のストーリー展開。
アンダルシア / 真保裕一 Amazon
商品ページへ
外交官・黒田康作シリーズの第3作。外国での日本人保護を任務とする「邦人保護担当特別領事」の黒田が、スペインとフランスの国境の小国アンドラ公国での殺人事件に巻き込まれる。
10 あと少し、もう少し / 瀬尾まいこ Amazon
商品ページへ
中学校の陸上部の駅伝を走る6人が主人公。彼らがそれぞれ1章ずつ主人公となり、色々な想いを語って次の走者にバトンを渡す。みんなが何かを乗り越えて前を向いて締めくくられる物語。

 今年は、☆5つはありませんでしたが、1位の「村上海賊の娘」はすんなりと決まりました。本屋大賞受賞作品ですから順当といったところでしょうか。2位の「永遠のゼロ」は、昨年の1位「海賊と呼ばれた男」に続いて、百田作品が連続しての上位ランク入りです。百田さんの作家以外の活動での言動が、私はとても不快なのですが、作品の価値は認めざるを得ません。

 3位以下については順位をつけるのには苦労しました。順位がないとランキングにならないので順番に並べていますが、多少前後に入れ替わっていてもおかしくありません。また、4位の「心星ひとつ」は、「みをつくし料理帖」シリーズとしてのランク入りです。読まれる方はシリーズの1巻「八朔の雪」から順番にお読みください。

 選外の作品について言うと、近藤史恵さんの「タルト・タタンの夢」を入れるかどうか最後まで悩みました。三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖」、小路幸也さんんの「東京バンドワゴン」、ジェフリー・アーチャーさんの「クリフトン年代記」の、3つのシリーズ作品が昨年から引き続いて楽しませてくれました。

■ビジネス・ノンフィクション部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
里山資本主義 / 藻谷浩介、NHK広島取材班 Amazon
商品ページへ
人里に隣接した里山は、かつては人の手が入り、建築資材や燃料、食料などの資源を、適切に管理すれば持続的に供給していた。この里山の利用を参考にした「地域内経済モデル」を提唱。
未来は言葉でつくられる / 細田高広 Amazon
商品ページへ
未来や変革の行方を示す「ビジョナリーワード」を紹介。その後「あなたは自分で考えた言葉を使っていますか?」と問う。自分の未来も「言葉」で考える、そんな当たり前のことに気付いた本。
奇跡の脳 / ジル・ボルト・テイラー Amazon
商品ページへ
脳卒中によって脳の機能がひとつずつ停止していく、という恐ろしい体験を、「脳解剖学者」が「内側から観察した」記録。ユーモアたっぷりの語り口で、実に興味深い「体験」が語られている。
スノーデンファイル / ルーク・ハーディング Amazon
商品ページへ
元CIA、NSA(アメリカ国家安全保障局)の局員が、アメリカ合衆国の情報収集活動を暴露・告発した事件のドキュメンタリー。背筋が寒くなる事実を突き付けられる。現代史の貴重な記録。
春になったら苺を摘みに / 梨木香歩 Amazon
商品ページへ
家守綺譚」「西の魔女が死んだ」の著者の初エッセイ。20代の頃の英国留学の時のエピソードや、旅先で出会った人々との交流をつづったもの。著者の内面に触れる文に引きつけられる。

 1位の「里山資本主義」は、日本が進むべき1つの方向性を示しているように思います。2位の「未来は言葉でつくられる」は、私自身が折りに触れて立ち返るべきことが書かれていました。3位の「奇跡の脳」は、著者のTED Talkのプレゼンテーションそのままのユーモアたっぷりの興味深い本でした。4位の「スノーデンファイル」は、現代社会の危うさを感じる本でした。5位の「春になったら苺を摘みに」は、著者の作品が好きな方は一読すべき本だと思います。

 選外の作品としては、「新しい火の創造」「スモールマート革命」「地方消滅」など、社会問題を取り上げたものが多かったです。「ネットが生んだ文化」や評伝の「スティーブ・ジョブズ」も面白かったです。

レビュー記事が800本になりました。

800_3

 先日の記事「全員で稼ぐ組織」で、このブログのレビュー記事が800本になりました。3年前に「レビュー記事が500本になりました。」という記事を書いた後、600本、700本は気が付かないうちに過ぎていました。

 今回もあまり意識していなかったのですが、昨日なぜか集計しようと思い立って数えてみたら、ぴったり800本でした。何かが知らせてくれたのだと思います。天啓かもしれません。

 区切りがいいので、分析してみました。評価は☆5が18、☆4は324、☆3が417、☆2が36、☆1は2。半分以上が☆3ですね。評価を付けるのはけっこう難しくて、無難なところで☆3つにしてしまうことが多いのは事実です。その点、☆4と特に☆5は「これはいい!」と思ったもので、自信をもっておススメできます。

 カテゴリーは小説が222、ファンタジーが171、ミステリーが142、経済・実用が88、その他が84、ノンフィクションが69、エッセイが20、雑誌が4です。基本的に「物語」が好きなんですね。小説には純文学からエンタメ系まで幅広く入っています。その他には自己啓発や評論などが含まれています。

 作家さんはダイアナ・ウィン・ジョーンズさん35、伊坂幸太郎さん29、有川浩さん27、上橋菜穂子さん20、三浦しをんさん17、東野圭吾さん16、塩野七生さん15..です。上位は、コンプリート(全作品読破)を目指した人です。集計によると著者は360組いて、なんと7割の253組が1作品だけでした。乱読が極まった感じですね。

 こうして本が読めるのは、暮らしに大きな支障がないからです。そのことは本当にありがたく思っています。その幸せを感じつつ、これからもレビュー記事を積み重ねていきたいと思います。

あけましておめでとうございます。

 皆さん、あけましておめでとうございます。

 このブログでは、昨年は102作品を紹介しました。これで2010年から4年連続で100作品超えとなりました。昨年も同じことを書きましたが、暮らしが安定していたからこそ続けて来れたわけで、そのことは本当にありがたく思っています。

 昨年末に発表された様々な指標によると、日本の経済は堅調で回復基調が定着しつつあるようです。私が住む地方の街では、それらの指標はあまり改善されず取り残された感がありますが、気分が少し上向いてきた気がします。

 今年は娘が成人式を迎えます。これまでに「この子が大人になる頃には...」と想像することが何度かありました。いよいよそれは想像ではなく、眼前に現れることになるのですが、それはどんな姿をしているのでしょう。楽しみより心配が先に立ちますが、住みよい世界を次の世代に手渡したいものです。

 それでは、今年が、皆さんにとって良い年でありますように。

2013年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 恒例となった「今年読んだ本のランキング」を作りました。昨年までと同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。
(参考:過去のランキング 2012年2011年2010年2009年2008年

 今年このブログで紹介した本は102作品でした。☆の数は、「☆5つ」が1個、「☆4つ」が49個、「☆3つ」は46個、「☆2つ」が6個。です。
 一昨年に「☆3つ」が7割を超え、多くの作品が同じ評価では☆の意味がなくなってしまうと思い、良いものは「☆4つ」、良くないものは「☆2つ」を、積極的に付けようと2年やってきました。まぁ、少しはバランスが良くなったのではないでしょうか。

■小説部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
海賊と呼ばれた男 / 百田尚樹 Amazon
商品ページへ
出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたドキュメント小説。明治から昭和にかけての激動の時代を生きた、主人公の国岡鐵造の苦難と克服の一代記。圧倒的なエネルギーの傑作。
東京バンドワゴン / 小路幸也 Amazon
商品ページへ
下町の古本屋「東京バンドワゴン」を舞台とした大家族ホームドラマ。周囲で起きる大小さまざまな事件を、知恵と「LOVE」で見事に解決。現在8作品が刊行されている人気シリーズの第1作。
月の影 影の海(十二国記) / 小野不由美

Amazon
商品ページへ

現代日本の高校生の陽子が、妖魔が跋扈する異世界へ突然連れ去られて経験する数々の苦難と、その後に訪れる救済。十二の国からなる世界を描く異世界ファンタジーシリーズの第1作。
政と源 / 三浦しをん Amazon
商品ページへ
銀行を定年まで勤め上げた国政と、職人で自由人の源二郎。墨田区Y町で暮らす御年73歳の幼馴染2人が主人公。いい歳をして喧嘩したり拗ねたり、面白くも思いやりにあふれた物語。
左京区恋月橋渡ル / 瀧羽麻子 Amazon
商品ページへ
京都の大学の工学部の山根クンが主人公。専門は「爆薬」、密かな楽しみは「ひとり花火」。そんなサエない男子学生の、おかしくて切ない「恋バナ」物語。「左京区七夕通東入ル」の姉妹編。
七つの会議 / 池井戸潤 Amazon
商品ページへ
大手総合電機メーカーの子会社で起きた、ある不祥事の隠ぺいにまつわる人間ドラマ。確執や嫉妬に抗えない男たちが悲しい。秘匿された真実と結末に向かってネジを締め付けるような展開。
ジョーカー・ゲーム / 柳広司 Amazon
商品ページへ
大日本帝国陸軍のスパイ養成学校「D機関」出身のスパイらを描く短編集。単純に見える事件が実は幾重にも陰謀とウソが塗り重ねられている。スパイたちの内面が垣間見えるのがニクイ。
八朔の雪 みをつくし料理帖 / 高田郁 Amazon
商品ページへ
舞台は江戸時代後期の江戸の町、主人公は大坂の一流料理店で修業した澪。習慣や味覚の違う町で苦労しながら、料理の腕とひたむきさと、周囲の助けとによって人生を切り拓いていく。
限界集落株式会社 / 黒野伸一 Amazon
商品ページへ
止村(とどめむら)という名前が表すように、山のどん詰まりの集落が舞台。さらに言えばその将来も展望がなくどん詰まり状態。そこで巻き起こった「逆転満塁ホームラン」地域活性化物語。
10 青空のルーレット / 辻内智貴 Amazon
商品ページへ
夢を追いながらビルの窓拭きを職業にする若者たちの物語。夢ではお腹に溜まらないから、稼ぐために窓を拭いている、極めてシンプルな人生観。同じぐらい物語もメッセージもシンプル。

 今年は、1位は唯一の☆5つの「海賊と呼ばれた男」にすんなりと決まりました。順位をつける際には1年間の読書リストを見直すのですが、この作品が頭一つ抜きん出ていたことを再確認しました。本当にいい作品でした。2位以下については9個を選ぶのはともかく、順位をつけるのには苦労しました。順位がないとランキングにならないので順番に並べていますが、それぞれに前後2位ぐらいは入れ替わっていてもおかしくありません。

 特徴的なのは、「東京バンドワゴン」「十二国記」「みをつくし料理帖」と、既に何作品も刊行されているシリーズ作品が3つ入ったこと。良いシリーズに巡り合うと、それを追いかける楽しみがしばらく続くので嬉しいです。また、少し長い目で見ると、池井戸潤さんの作品が「下町ロケット」「ルーズヴェルト・ゲーム」に続いて、3年連続ランクインしたことです。池井戸さんは今年、テレビドラマ「半沢直樹」で大ブレイクしましたが、今後の作品も楽しみです。

 選外の作品について言うと、大沼紀子さんの「真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫」、三上延さんの「ビブリア古書堂の事件手帖4」の、2つのシリーズ作品の展開が面白くなってきました。村上春樹さんの「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は、悩みましたがランクインはしませんでした。

■ビジネス・ノンフィクション部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ / J.マーチャント Amazon
商品ページへ
ギリシアの小島「アンティキテラ島」沿岸の海底から引き上げられた機械にまつわるドキュメンタリー。推定2000年以上前に作られたという機械の、精巧さと機能にただただ驚くばかりだ。
理系の子 高校生科学オリンピックの青春 / J.ダットン Amazon
商品ページへ
中高生の自由研究の発表会の最高峰「インテル国際学生科学フェア」の出場者を取材したノンフィクション。十代の彼らの目を見張るような高度な研究に、明るい未来を見ることができる。
ワーク・シフト / リンダ・グラットン Amazon
商品ページへ
「2025年の働き方」を、悲観的なストーリーと少し明るいストーリーの合計6つの物語で展望。未来が分かれるのはいつで、それを決定するのは何か?を調査に基づいて緻密に考察する良書。
物語ること、生きること / 上橋菜穂子 Amazon
商品ページへ
ファンタジー作家であり、文化人類学者でもある著者が語った自らの半生。。代表作の「守り人」シリーズや「獣の奏者」他の創作に関わる話や、込められた想いが記されていてファン垂涎の書。
実践! 田舎力 小さくても経済が回る5つの方法 / 金丸弘美 Amazon
商品ページへ
「地域活性化アドバイザー」として全国を飛び回る著者による、地域おこしの実践書。成功事例だけではなく、数多くの失敗事例を知る著者の経験から導かれた手法が惜しみなく記されている。

 1位から3位までが海外の作品になりました。このことに何か意味があるのかどうか分かりませんが、ランキングを作り始めてから初めてのことです。私は大学進学で経済学を選びましたが、工作も実験も大好きなので、1位と2位の本を読んでとてもワクワクしました。

 3位と5位は、勉強した経済学や今の仕事と関係の深い本です。このランキングを作ってから気が付きましたが、5位の「実践! 田舎力」と、小説部門9位の「限界集落株式会社」は、そのテーマはもちろんですが、内容に「経済」というキーワードで響き合うものがありました。これは発見かもしれません。

あけましておめでとうございます。

 皆さん、あけましておめでとうございます。

 昨年は、このブログを始めてから10年の節目を迎えることができました。また、3年連続で1年に100作品以上の紹介をすることができました。細々とはいろいろなことがありましたが、基本的には暮らしが安定していたからこそ続けて来れたわけで、そのことは本当にありがたく思っています。

 これからも1週間、1カ月、1年を積み重ねてできるだけ長く続けて行きたいと思っています。次なる目標は1000作品紹介(現在652作品)、それを目指して精進して行きます。

 それでは、今年が、皆さんにとって良い年でありますように。

2012年の「今年読んだ本ランキング」を作りました。

 今年で5回目で恒例となった「今年読んだ本のランキング」を作りました。昨年までと同じく小説部門は10位まで、ビジネス・ノンフィクション部門は5位までです。
(参考:過去のランキング2011年2010年2009年2008年

 今年このブログで紹介した本は103作品でした。☆の数は、「☆4つ」が34個、「☆3つ」は64個、「☆2つ」が5個。何と「☆5つ」が1つもありません。そう言えば「これは面白かった!」と印象に残る作品が思い浮かびません。それを知った時はとても残念に思いましたが、今は「まぁそういう年もあるさ」と開き直っています。

 また、昨年「☆3つ」が7割を超えてしまったので、今年は良いものは「☆4つ」、良くないものは「☆2つ」を、積極的に付けようと思っていました。少しはその成果が出たようですが、まだまだ「☆3つ」が圧倒的で、☆の意味があまりなくたってしまうことには変わりなく、今後の課題として、さらに越年することになりました。

■小説部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
ジェノサイド / 高野和明 Amazon
商品ページへ
アフリカに出現した、人類絶滅の可能性を秘めた新種の生物を巡る、米国、日本、アフリカ奥地の世界三元中継のジェットコースターアクションサスペンス。
ルーズヴェルト・ゲーム / 池井戸潤 Amazon
商品ページへ
実業団野球チームを擁する中堅電子部品メーカー。会社の厳しい経営状況に、チームが存続が危ぶまれる。身の内に葛藤を抱えつつ、その技術力とチームワークで危機に立ち向かう
海の底 / 有川浩

Amazon
商品ページへ

塩の街」「空の中」に続く自衛隊三部作の最後の作品。巨大なザリガニに襲われた横須賀の街と、孤立した潜水艦の中のドラマ。デビュー3作目にして驚きの大作。
空飛ぶ広報室 / 有川浩 Amazon
商品ページへ
「自衛隊三部作」以来続く、著者お得意の「自衛隊・ミリタリー+恋愛」作品。航空自衛隊の広報室を舞台に展開する、複数のラブロマンス、自衛隊やマスコミ、世間の有り様を描く。
空色勾玉白鳥異伝薄紅天女  / 荻原規子 Amazon
商品ページへ
著者のデビュー三部作にして、代表作シリーズ。不思議な力を秘める勾玉を巡る、神代の時代から奈良時代まで、時代を移しながらの壮大な物語。
真夜中のパン屋さん 1 / 大沼紀子 Amazon
商品ページへ
累計68.5万部のベストセラーシリーズ。深夜11時から翌朝5時まで開店しているパン屋が舞台のミステリー。個性的な登場人物たちが織りなす心温まる物語。
謎手本忠臣蔵(上)(下) / 加藤廣 Amazon
商品ページへ
「忠臣蔵」として知られる、赤穂浪士討ち入り事件の、こうだったかも知れない真相。語り尽くされた物語を、将軍綱吉の御側用人の柳沢保明の目を通して「新たな光」で照らす。
忍びの国 / 和田竜 Amazon
商品ページへ
「のぼうの城」でネオ時代小説の旗手となった著者の第2作。信長の次男の信雄が伊賀の国に攻め入った、「天正伊賀の乱」を描いた戦国エンタテイメント。
炎路を行く者 / 上橋菜穂子 Amazon
商品ページへ
著者の代表作「守り人」シリーズのスピンアウト。その存在だけが知られ、ファンが公開を待望した「炎路の旅人」と、「守り人」の主人公バルサの若き日を描いた「十五の我には」を収録。
10 機関車先生 / 伊集院静 Amazon
商品ページへ
瀬戸内海の小島の全生徒7人の小学校。そこに赴任した誠吾は病気が原因で話すことができない。誠吾と子どもたち、海を相手にした厳しい暮らしをする島の人々との触れ合いを描く。

 今年は例年にも増して悩みました。☆5つがないために、横並びで数多い☆4つの中から10個を選ぶのに苦労しました。ランキングと銘打っているので、一応順位を付けましたが、考える度に違う気がします。(実は、1位が「ジェノサイド」でいいのかさえ確信が持てません)。

 特徴的なのは、昨年に続いて有川浩さんの作品が2つ入ったこと、昨年の1位「下町ロケット」続いて池井戸潤さんの作品が2位になったこと、時代小説が2つ入ったことでしょうか。

 選外の作品について言うと、東野圭吾さんの「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、伊坂幸太郎さんの「あるキング」、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」をランキング入りさせるかどうか迷いました。それから話題作の「ビブリア古書堂の事件手帖3」も。

■ビジネス・ノンフィクション部門■

順位 タイトル/著者/ひとこと Amazonリンク
絶望の国の幸福な若者たち / 古市憲寿 Amazon
商品ページへ
26歳の気鋭の社会学者による「若者論」。年金や医療問題などで明るい将来像が描けない中で、20代の7割が現在の生活に「満足している」と答えている。その意味を考察する。
誰のためのデザイン? / D.A.ノーマン Amazon
商品ページへ
日常使う製品のデザインはどうあるべきか?を、認知科学の視点から考察した本で、出版後20年以上も版を重ねる良書。商品開発、工業デザインに関わる人には読んでもらいたい。
挑む力 世界一を獲った富士通の流儀 / 片瀬京子、田島篤 Amazon
商品ページへ
「2位じゃダメなんでしょうか?」が耳目を集めた、スーパーコンピュータ「京」など、困難なプロジェクトに挑んで成し遂げた人々を取材した本。富士通には良い宣伝となっただろう。
日本でいちばん大切にしたい会社 / 坂本光司 Amazon
商品ページへ
著者が訪問した6000社を超える企業の中で、「日本でいちばん大切にしたい」と思う会社数社を紹介。「大切にしたい」会社は、関係するすべての人を「大切にする」会社だったと分かる。
お友だちからお願いします / 三浦しをん Amazon
商品ページへ
著者が新聞や雑誌などから依頼を受けて書いた95編のエッセイ集。そのほとんどでニヤニヤしっぱなし。小説作品の裏話的なものもあって、著者とお友だちになりたくなる本。

 相変わらず先行き不透明な社会情勢ですが、ランキング入りした本には、悲観ばかりしていても仕方がない、良い種を見つけてそれを育てよう、と考えさせられました。選外ですが「日本でいちばん元気な商店街」もそうした本でした。
 それから2位、3位、4位は、それぞれ別のところから献本いただいた本です。いただいた本が私の物の見方や知識を広げることに役立っているわけで、感謝の気持ちを新たにしました。

おかげさまで10年です!

Map この9月4日は、私にとって記念すべき日でした。このブログの最初の記事は、2002年9月4日の「海底二万海里」。私が読書記録を付けはじめてちょうど10年なんです。

 時々に色々なことがありましたが、10年間も変わらずに本を読み、変わらずに読書記録を付けてこられたことは、大きな喜びです。ブログを読んでくだる皆さんに支えられて続けることができました。皆さんに感謝します。

 節目ですから10年間を少し振り返ってまとめてみました。投稿数は696、本の紹介記事は619です。本の評価では☆5つは17、4つは235、3つは335、2つは27、1つは2、評価なしが3です。600以上読んで☆5つ17、割合にして3%足らず、我ながら点が辛いですね。

 カテゴリー別では(分類するのが難しいのですが、投稿時に設定したカテゴリでは)、「小説」169、「ファンタジー」144、「ミステリー」108、「経済・実用書」64、「ノンフィクション」63。

 作家さん別では、伊坂幸太郎さん32、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさん31、有川浩さん27、上橋菜穂子さん19、森見登美彦さん18、森博嗣さん14、三浦しをんさん13、塩野七生さん13、といったところです。

 記念の日ですから、当日にお知らせすれば良かったのですが、あるものを作っていて遅くなってしまいました。名付けて「本読みな暮らし」マップ。私の読書生活(つまり「本読みな暮らし」)を何とかパッと見える形にできないかと思って、マインドマップ(FLASHコンテンツ)にしてみました。

 このマインドマップは、記事を書いた全部の本とそのレビュー記事、Amazonページへのリンクができるようになっています。是非一度ご覧になってください。(Flashプレイヤーをサポートしていないブラウザではご覧いただけません。残念です。画像だけでもどうぞ)

「本読みな暮らし」マップ(FLASH版)
「本読みな暮らし」マップ(画像のみ)